クラウドERPシステム【MA-EYES】

【かんたん図解で解説】ERPとは?企業での導入メリットや基幹システムとの違いを解説|ビーブレイクシステムズ

ERPとは

「ERPにはどんな種類があるのか?費用に見合う効果があるのか?」
「自社に合ったシステムをどう選べばいいか分からない。」

そんなERP導入に関するお悩みをお持ちではないでしょうか。

私たちは20年以上、数多くの企業のERP導入を支援してきました。 その経験をもとに、この記事では専門用語をなるべく使わずに、ERPとはなにかを「図でわかりやすく」解説します。

この記事を読むことで、

  • ERPシステムの意味などの基本知識
  • 最新のERP動向
  • 自社に合うEPRの選び方
  • 導入で失敗しないための実践的なノウハウ

が分かります。

目次

ERP(統合基幹業務システム)とは「会社の情報を一箇所に集める箱」

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、会社の中にある「人・モノ・お金・情報」という大切な資源を、バラバラに管理せず一つの場所(データベース)にまとめて管理する仕組みのことです。

ERPとは?

販売、勤怠、購買、経理など各業務を個別のシステムやツールで管理する場合、それぞれの専門性は高いものの、連携がされておらず同じ情報を何度も入力したり、数字が合わないということが起こります。
こうしたムダやミスを減らすために、情報を一つにまとめて管理できるERPを導入する会社が増えています。

ERP(統合基幹業務システム)を学校に例えると?

ここではERPの考え方を、学校の例を使ってわかりやすく説明していきます。
各クラスの先生が、欠席者の情報を自分のノートにだけ書いていたとします。もし校長先生が「今日、風邪で休んでいるのは全部で何人か?」を知りたいと思ったら、全クラスを回って情報を集め、手集計しなければなりません。これでは時間がかかりますし、ミスが発生する可能性もあります。
ERPでは、各先生が入力した瞬間に、校長先生は手元の画面を見るだけで全校の状況を把握できます。

ERPを学校に例えると?

最近風邪で休む人が増えているな、と早い段階で気付ければ、「アルコール消毒を設置しよう」といった対策を事前に打つことができますし、「休んでいる人に女子が多い理由はなぜだろう?」といった考察ができるかもしれません。

ERPは従業員が入力したそのタイミングで、全員が同じ情報にアクセスできるようになります。そのため、ミスや漏れを減らすことができ、正しい情報をもとに状況の確認や分析ができるのです。

経営において、「今、何が起きているか」を瞬時に把握できることはとても重要です。ERPを導入することで、データを「探す」「集める」という作業から解放され、すぐに次の一手を打つことができます。

一目でわかる比較表:「バラバラなシステム」vs「ERP」

バラバラなシステム ERP
データの管理方法 部署ごとにExcelやソフトでバラバラに管理 社内すべてのデータを一つのデータベースに集約
情報の整合性 手入力によるミスや、部署間で数字が合わないことがある 常にデータが一致し、リアルタイムで自動更新される
経営判断 データを集計するまで時間がかかり、判断が遅れる ボタン一つで最新の利益状況がわかり、すぐに判断できる

ERPが普及した背景と必要性

ERPが広く使われるようになった背景には、ビジネス環境の大きな変化があります。グローバル化や競争の激化、情報技術の急速な発展などにより、「今、自社で何が起きているか」をリアルタイムで把握し、素早く意思決定する企業が強い時代になりました。
市場の変化が年々速くなっている今、限られた人・モノ・お金をいかに無駄なく活かせるかが、会社の成長を左右するといっても過言ではありません。

また、これまでERPといえば高額な費用とリソースが必要で、大手企業が導入するものというイメージがありましたが、近年はクラウドで比較的安価に利用できるERPも多くあり、中小企業でも手軽に利用開始できるものが主流になってきています。

プロジェクト型ビジネスにおけるERP

中でも、プロジェクト単位で動く事業(システム開発会社、SIer、コンサルティング、広告業など)において、情報の一元化は重要です。
売上や工数、仕入といった原価情報がバラバラに管理されることで、プロジェクトのリアルタイムな収支(利益の着地見込み)が見えづらくなり、赤字プロジェクトの発生や発見の遅れを引き起こします。
当社はシステム開発・SIerの企業であるため、プロジェクト収支管理の現場の悩みを熟知しています。だからこそ、経営をリアルタイムで可視化するERPの必要性を感じています。

ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムはどちらも企業経営に必要な情報システムですが、どのような違いがあるのでしょうか。

基幹システムは「部門最適」

基幹システムとは、会計システムや販売管理システムなど企業の特定の核となる業務に特化して最適化されたシステムです。
基幹システムの主なメリットは、特定業務領域に特化するため、その領域での最適な処理速度や精度を実現できる点です。

ERPシステムは「全体最適」

一方でERPはそのほかにも、勤怠、商談管理など企業の様々な部門の業務プロセスまで管理することができます。ERPは基幹システムよりも範囲が広く、全社規模で最適化する目的のシステムです。
ERPのメリットは、企業全体の情報をまとめることで、生産性の向上や効率化が期待できることです。

▶基幹システムとは?ERPとの違いや、機能の特徴、導入メリットを分かりやすく解説

システムを検討する際には、これらの違いを理解し、企業の現状と解決したい課題を照らし合わせて、ERPと基幹システムのどちらを導入するか選択すると良いでしょう。

ERPは大きく2種類。選び方は?

ERPには大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
最近は多くの会社が「クラウド型」を選んでいますが、会社の規模やセキュリティルールによって合うものは変わります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

クラウドとオンプレミス

クラウド型(SaaS):安く・早く使えて、自動でアップデート

クラウド型ERPは、インターネットを通じて外部のサーバーを利用する方式で、「SaaS(サース)型ERP」とも呼ばれます(IaaSによる提供形態をこちらに含めるケースもありますが、今回は説明をシンプルにするためにSaaS型ERPを念頭に説明します)。自社でサーバーを用意する必要がないため初期費用を抑えられ、早ければ数日から数ヶ月で導入できます。

基本的に、法改正や消費税率の変更にも自動でアップデートされるため、システムの保守・管理の手間がかかりません。 パソコンだけでなくスマホやタブレットからもアクセスできるため、家や外出先からの確認や承認もできます。「安く、早く、手間なく」始めたい場合に適しています。

クラウドERPのメリット

  • 初期費用を抑えて、月額費用で利用できるものが多い
  • サーバーなどの購入費用・保守にかかるコストを削減できる
  • インターネットがあればテレワークや出張中でも業務が進められる
  • システムのアップデートが自動でされるため、常に最新の状態で利用できる
  • システム稼働までの期間が短い
  • システムに業務を合わせることで最善の業務フローに最適化できる

クラウドERPのデメリット

  • カスタマイズの自由度が低く標準機能に依存するので、状況によっては自社の業務フローをシステムに合わせて変更する・ERP外で管理するなどの対応が必要
  • データ管理をサービス提供者に委ねる形となるため、セキュリティへの懸念がある

▶クラウドERPとは?導入メリット・デメリット、オンプレミスとの違いを解説

オンプレミス型:会社独自のやり方に細かく合わせられる

オンプレミス型は、自社内や自社が契約している専用のサーバーを置いてシステムをつくる方法です。お金はかかりますが、会社ならではの特殊な業務フローに合わせて、細かく自由にシステムを作り変えられるのが強みです。

オンプレミス型は、自社内や自社が契約している専用のサーバーを置いてシステムを構築する方法です。ERPとは別にサーバー購入代や管理コストがかかります。
自社の特殊な業務フローに合わせて、細かく自由にシステムをカスタマイズできるのが強みです。ただし、カスタマイズには費用がかかります。
自社専用の環境で構築できるため、とても高いセキュリティを求める大企業などで選ばれています。

オンプレミスERPのメリット

  • 自社独自の業務に合わせてシステムを柔軟にカスタマイズできる製品が多い
  • 自社でセキュリティをコントロールできる
  • 自社でセキュリティをコントロールできる
  • 買い切り型のため自社の資産となる
  • 利用人数が増えても金額が一定
  • 同時接続数が多いなどの場合、メモリを増やして対応可能
  • 既存システムとの連携がしやすい

オンプレミスERPのデメリット

  • カスタマイズをする場合、費用が高額になる
  • 導入期間が長く、その分の人的リソースが必要
  • サーバーなどを自分で購入し運用する必要がある

中小企業には「クラウドERP」がオススメな理由

スピード感が命の中小企業にとって、準備に時間をかけず、すぐ使い始められる「クラウドERP」が特にオススメです。

  1. 初期費用の低さ
  2. 専門のシステム担当者がいなくても使える
  3. いつでも新しい機能を使える

スピード感が命の中小企業にとって、準備に時間をかけず、すぐ使い始められる「クラウドERP」が特にオススメです。

プロジェクト管理に特化したERPシステム「MA-EYES(エムエーアイズ)」はクラウドとオンプレミスの良い所取りをした「SaaS+」という導入形態も用意しています。

▶SaaS+の紹介ページ

▶MA-EYESバージョンごとの比較

ERPの主な機能

ERPシステムはさまざまな機能が備わっています。ここでは一般的な機能を紹介します。

機能 説明
販売管理 販売に関わる様々な情報を管理可能です。いくらの商品をいくつ販売したか、売上はいくらかなどを管理できます。
生産管理 主に製造業向けの機能で生産管理を効率化します。
分析ツール 意思決定に役立つ分析データをリアルタイムで出力できます。自身の見たいデータを見たい切り口で出力したり、グラフィカルに表示できるものもあります。
勤怠管理 従業員の日々の勤怠を登録することで、給与計算データを作成可能です。
経費管理 かかった経費を登録する機能です。
請求管理 売上情報が連携し、請求情報が作成されます。請求書の出力も可能です。
見積 見積情報を作成します。見積書の出力も可能です。
在庫管理 正確な在庫情報を管理できます。どの拠点にいくつあるか、不足分などを把握し、発注なども行えます。
入金・出金管理 入出金の登録・管理を行います。FBデータの出力なども行います。
財務会計 ERPに登録された様々な情報から仕訳データを作成することができます。
月次締め 月末の締め作業を行う機能です。必要な情報はERPに蓄積されていくので、手作業と比較して締め処理にかかる時間を大幅に短縮できます。
ワークフロー 申請承認をシステム上で行います。リアルタイムで承認状況の確認ができます。

製品によってかなり違いがあるため、実際に導入する際には自社に必要な機能が備わっているか、逆に過剰なものはないかを確認しましょう。製品によっては、全ての機能ではなく必要な機能のみを導入することで価格をおさえて導入することができるものもあります。

プロジェクト型ビジネス向けERPの主な機能

ここでは、システム開発・IT・SIer・コンサル・広告業など、プロジェクト単位で業務を管理する企業に特に重要な機能を紹介します。自社での経験をもとに厳選していますので、ぜひ参考にしてください。

管理会計

販売や購買などのデータと連動することで、プロジェクト別・部門別・顧客別など、さまざまな切り口で収益を分析できます。月次決算を待たずに、いつでも正確な着地見込みを把握できる点が大きな強みです。
会計処理や決算書の作成はもちろん、共有コストの部門別割り当て(配賦)や、プロジェクトごとの収支レポート(損益計算書)なども自動で作成できます。必要な数字がすぐに揃うため、スピーディーな経営判断につながります。

プロジェクト管理

販売や購買などのデータと連動することで、プロジェクト別・部門別・顧客別など、さまざまな切り口で収益を分析できます。月次決算を待たずに、いつでも正確な着地見込みを把握できる点が大きな強みです。
会計処理や決算書の作成はもちろん、共有コストの部門別割り当て(配賦)や、プロジェクトごとの収支レポート(損益計算書)なども自動で作成できます。必要な数字がすぐに揃うため、スピーディーな経営判断につながります。

購買・経費管理

外注、仕入、経費精算などの支出を一元管理します。特にプロジェクト型ビジネスでは、外注費が原価の多くを占めることも多く、どの支出がどのプロジェクトに紐づくかを正確に把握することが重要です。
購買前の申請段階でプロジェクトと紐づけ、承認フローと連動させることで、すべての支出が自動的にプロジェクト原価として割り当てられます。

工数・勤怠管理

従業員の勤怠管理や給与計算に加え、誰がどのプロジェクトにどれだけの時間を費やしたか(工数)を正確に把握できます。工数データは労務費としてプロジェクト原価に自動で反映されるため、現場のメンバーが日々の工数を入力するだけで、月次決算を待たずにリアルタイムでプロジェクトの利益率を確認できます。

ERPを導入する4つの大きなメリット

ERP導入にはたくさんのメリットがありますが、ここでは4つピックアップしてご紹介します。

「二重入力」は不要!業務スピードと情報の正確性の向上

ERPの最大のメリットは、同じデータを何度も入力する手間がなくなることです。 複数のシステムで管理をしていると、例えば営業が入力した受注情報を、経理が会計ソフトに再度打ち直すといった「二重入力」が発生します。
ERPでは、営業が入れた数字が自動的に会計システムや分析帳票へと引き継がれます。転記作業がなくなるため、入力ミスを減らし、業務スピードが格段に早まります。ミスの確認に追われていた時間を、より重要な業務に使えるようになります。

ERPで二重入力が不要に

リアルタイムで会社の「今」を可視化し、判断のスピードアップ

バラバラのシステムで管理していると、知りたい情報を得るまでに集計・計算をしなければならず、タイムラグが発生してしまいます。
ERPがあれば「今この瞬間」の数値をすぐに確認可能です。「赤字になりそうだ」といった予兆にもいち早く気付き、対策することができます。

リアルタイムで確認できる分析帳票

内部統制を強化!社内ルールが自然に守られる仕組み

ERPを導入すると、すべての操作に「いつ・誰が・何をしたか」という記録が残ります。そのため、データの改ざんやミスを隠すことができなくなります。

また、承認がないと次に進めないワークフローや、部署・役職によってアクセスできる情報を制限する権限設定も備わっています。
こうした仕組みにより、社員一人ひとりが意識しなくても社内ルールが守られる環境が整います。

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業界標準の業務プロセスを取り入れられる

多くのERPは、その業界で最も効率的な仕事の進め方(ベストプラクティス)に基づいて設計されています。近年は、自社の業務フローを ERPの標準機能に合わせる「Fit to Standard」 という考え方が主流になっています。
業務をERPに合わせることで、特定の担当者だけが分かる属人的な業務から脱却し、誰が担当しても同じ品質で業務を遂行できる体制が整います。

なぜERPを入れると「月の締め作業」が早まるのか?

ERPを導入することで、10日かかっていた月次決算が5日程度で完了するケースもあります。ここでは、その理由を3つに分けて説明します。

日々の業務データが自動で仕訳に変換される

ERPは、日々の業務で発生したデータが、リアルタイムで「会計上の仕訳」に変換されます。例えば、社員が出張の交通費を入力すると、その瞬間に記録が自動で作られます。これまで経理担当者が月末にまとめて行っていた入力作業が不要になるため、入力ミスのチェックにかかる手間も大幅に減り、締め作業のスピードアップにつながります。

「入金消込作業」の効率化

請求した金額が正しく入金されているかを照合する「入金消込」は、経理業務の中でも特に手間のかかる作業です。手作業では銀行明細を見ながら、別のシステムやExcelと数字を突き合わせるという作業が必要ですが、ERPでは請求情報と入金情報が同じシステム内にあるため、照合作業がスムーズになります。

入金漏れもリアルタイムで把握できるため、資金繰りの管理にも役立ちます。

システム上で入金消込

「数字の根拠(証跡)」の追いやすさ

「この売上の根拠は?」と聞かれたとき、ERPであればシステム上ですぐに元データを確認できます。紙の資料を探したり、複数のファイルを開く必要はありません。数字が明確に整理されているため、「この数字は合っているの?」と疑われにくくなり、監査の際もスムーズです。投資家や金融機関からも信頼されやすくなります。

ERP導入前に知っておくべき3つのデメリット

ERP導入にはメリットも多いですが、課題やデメリットも存在します。ここでは具体例とその対策を紹介します。

1. はじめにかかる費用と、使い続けるための費用が必要

ERPで特にデメリットとなるのは導入にかかるコストです。システムの選定・構築のための初期費用(イニシャルコスト)は、数百万から数千万円もの大きな費用がかかることも珍しくありません。さらに、月額の利用料やサポート費用(ランニングコスト)、導入支援や社員へのトレーニングなどにかかるランニングコストも考慮する必要があります。

選択するシステムの種類やクラウドか否かによって費用は大きく変わり、パッケージ製品の場合は、初期導入費用やサーバーなどの調達・管理コスト、稼働後の保守費用などがかかります。クラウドサービスの場合は月額のサービス利用料や利用人数などデータ容量に応じた費用がかかります。

コストがかかる

ただ「高い・安い」だけで決めるのではなく、長期的に見てそれによって削減できる人件費や、売上が増えるなどのバランスで本当に価値があるのかを考えることが大切です。

2. 業務フローの見直しや修正が必要

現状の業務フローをERPの標準機能に合わせて最適化することは導入メリットの1つですが、企業が現在の慣れ親しんだ業務フローを変更するのは簡単ではありません。
従業員の学習コストや「使いにくい」といった不満、業務の一時的な混乱など多くの課題があります。従業員が新しいシステムや変更された業務フローに慣れるまで生産性の低下やミスの増加が予想されます。

業務フローの見直しや修正をするには、従業員の理解が必要です。経営層が「なぜ変えるのか」をしっかりと説明し、変更の理由やメリットを理解してもらうことが大切です。
適切な研修やサポート体制を構築するなど、しっかりと対策する必要があります。

サポート

3. 自社にマッチしたシステム選定が難しい

市場には多種多様なERPシステムがあります。それぞれ機能も異なり、料金体系も様々なので自社に最適なシステムを探すことは容易ではありません。比較・検討に多くの時間がかかりますが、最終的に自社に完全にマッチしたシステムが選べるという保証はありません。

適切なシステム選定には、知識と経験が必要です。自社で対応するのが難しい場合は、専門的なコンサルサービスを利用するのも選択肢のひとつです。費用はかかりますが、経験豊富なプロにサポートしてもらえるのは安心です。しかし、完全に任せきりというわけにはいかず、自社の業務内容を理解している人は必要なので、それなりに工数がかかることは避けられません。

そのほか、RFIなどベンダーに情報提供を依頼するための文書を作成するという方法もあります。作成に手間はかかりますが、一度作成をすればベンダーから回答をしてもらうことである程度自社に合うシステムを絞り込むことができます。

導入担当者が知っておきたい「よくある失敗パターン」

ERPの導入でつまずく会社は少なくありません。その原因は、システムの難しさよりも、「会社の進め方や考え方」に潜んでいます。ここでは、よくある2つの失敗パターンから、成功へのヒントを探ります。

パターン1:現場を置き去りにした「トップダウンの号令」

経営陣が「デジタル化(DX)だ」「経営の可視化だ」と意気込むあまり、現場の声を無視して導入を強行してしまうケースです。
現場からすれば、「今のEXCELで回っているのに、なぜ面倒なシステムに変えるのか?」という不信感が募ります。システムは「正しく入力する人」がいて初めて価値が生まれるもの。現場が「自分の仕事が楽になる」「残業が減る」というメリットを実感できなければ、やがてデータは入力されなくなり、高価なシステムは「置物」と化してしまいます。

パターン2:「稼働=ゴール」という燃え尽き症候群

無事にシステムが動き出した瞬間に「プロジェクト成功!」と安心してしまい、その後の運用が疎かになるケースが後を絶ちません。
しかし、ERPの本番は「使い始めてから」です。蓄積された膨大なデータを、誰が、いつ、どう経営判断に活かすのか。そのルールがなければ、数字はただ積み上がるだけで何も変わりません。

  • 「異常な数字が出たら、すぐに原因を共有する」
  • 「データをもとに来月の計画を修正する」

こうした「データを見て動く習慣」を作ることこそが、ERP導入の真髄です。

自社に合うERPシステムの選び方。失敗しないための5つのポイント

ERPは一度導入すると、簡単に別のシステムに変えることができません。もし選び間違えると、時間もお金も無駄になってしまいます。
「機能が豊富か」だけで判断するのではなく、「自社で長く使い続けられるか」という視点で選ぶことが大切です。
ここでは必ずチェックしておきたい5つのポイントを紹介します。

1.自社の業界のやり方に合っているか

ERPには、特定の業界向けにつくられた「テンプレート」を持つものがあります。業界への導入実績が豊富なERPであれば、導入時の要件定義もスムーズに進みやすく、最適な業務フローをすぐに実現できます。
プロジェクト型ビジネスに特化したERPであれば、工数管理や原価計算の仕組み、外注費管理、契約形態の多様性など、業界特有の機能が標準で搭載されています。

デモを確認したり、実際に触ったりして、普段の仕事の流れがそのまま再現できるかを確認しましょう。

業種にあったシステムを選ぶ

2.柔軟な設定変更(パラメーター設定)が可能か

「Fit to Standard」が主流とはいえ、自社独自の業務プロセスすべてを汎用システムに合わせることには限界があります。重要なのは、開発を伴わない「パラメーター設定による自由度」でどこまで自社仕様に近づけられるかです。
柔軟な設定変更が可能な製品であれば、短期間・低コストで自社に最適な環境を整えることができます。

▶MA-EYESパラメータ設定例

3.外部システムとスムーズに連携できるか

ERPは社内の業務を統合しますが、財務会計システムや給与計算システム、マーケティングツールなど、専門性の高い外部システムは残すケースが多いです。そのため、それらの既存システムとスムーズにデータ連携できるかは重要なポイントです。
連携方法についても確認しましょう。API(ソフトウェア同士を繋ぐ窓口)によるリアルタイムなデータ連携が標準で用意されているか、夜間のバッチ処理や手作業での連携が必要なのかによって運用負荷が大きく変わります。

▶MA-EYESのAPI連携ソリューション

MA-EYESインターフェース集 資料請求

工数の実績取込や会計データ取込など、MA-EYESの取込/出力機能をまとめた資料をお渡しします。
※資料請求には個人情報の入力が必要です。

4.導入後のセキュリティとサポート体制が十分か

ERPは会社の重要なデータを一元管理するシステムです。そのため、ERPを選定する際は、システムのセキュリティ体制が自社の求めるレベルに達しているかを必ず確認しましょう。機密情報が外部に漏洩しないようにデータ暗号化がされているか、誰が「どのプロジェクト」の「どのデータ」にアクセスできるかを人ごと・部門ごとに細かく設定できるかなど確認が必要です。

▶MA-EYESのセキュリティ対応について

5.現場が直感的に使える操作性(UI/UX)か

機能が充実していても、画面が使いにくければ現場には定着しません。ERPの選定は、管理職や経理担当者だけで進めるのではなく、実際にデータを入力する現場スタッフにも試してもらうことが大切です。現場が「使いやすい」と感じられる操作性が、システムを社内に定着させる近道です。

ERP導入成功のためのロードマップ

ERP導入は、数ヶ月から数年に及ぶ全社的なプロジェクトです。失敗を避けて確実に成果を出すためのERP導入のステップを解説します。

導入目的と課題を明確にする

まずは現状の問題を特定し、解決したい経営課題や目的を明確にします。

  • 既存の業務フローやデータ管理方法を棚卸しし、非効率な点や属人化している業務を洗い出し
  • 各部門の担当者へヒアリングし、要望をまとめる

実際にシステムを導入する段階で、対応できない要件が見つかりトラブルになる可能性もあるため、 手間がかかる作業ですが、事前に準備しておきましょう。
ここでの洗い出しをしっかりしておくか否かで、システム導入の成否が決まると言っても過言ではありません。

システム化の方針を決める

ERPの製品選定にあたり、導入形態は クラウドにするのか、オンプレミスにするのか。 カスタマイズはせずに標準機能にあわせるのか、特定の業務だけはカスタマイズを許容するのか、などの方針 を定めておきます。
そうすることで、話を聞く前に製品をある程度絞ることができるため、効率的に検討ができるでしょう。

システム選定とトライアル

要件をもとに候補を比較検討します。話を聞く会社は4-5社に絞ることをオススメします。実際に試用(トライアル)をして、自社の業務が管理できそうかを必ず確認しましょう。
また、決定したシステムの要件等を、経営陣含む各関係者に周知しておくことも必要です。最終決定時に、認識が異なるといった理由からシステムの導入自体が白紙になるというケースもあります。

導入準備と移行計画

システム選定が完了したら、いよいよ実運用に向けた準備に入ります。
既存のシステムやエクセルで管理していたデータを、新しいERPの形式に整理し取り込みます。この際、不要な古いデータを整理することで、新システムをクリーンな状態で使い始めることができます。

現場への定着と効果測定

本稼働がゴールではなく、「定着」まで見据えて計画しましょう。 マニュアル整備や研修をしつつ、ERPの導入サポートも最大限に活用しましょう。
稼働から数ヶ月後には、導入前に設定した「目的」が達成されているかを検証します。「月次決算が〇日短縮された」「入力ミスが〇%減った」といった数値を可視化することで、導入の効果を社内に示すことができます。

ERPに関するよくある質問(FAQ)

導入を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。

会計ソフトだけではダメなのですか?

会計ソフトは「結果としての数字」を記録するもので、販売・購買といった「数字が生まれる前の流れ」までは管理できません。
部署ごとの情報の連携や、仕事全体の効率化や将来の予測を行いたい場合は、ERPが必要になります。

導入にはどれくらいの期間がかかりますか?

クラウド型の一般的なERPであれば、3ヶ月から半年程度で使い始める会社が多いです。
ただし、自社独自の設定変更が多い場合や、過去のデータをたくさん移す必要がある場合は、1年以上かかることもあります。
期間を早めるコツは、最初から完璧を求めないことです。
「まずは最低限必要な機能」だけを使い始め、慣れてきたら少しずつ広げていく方が、失敗しにくく、現場も順応しやすくなります。

社員が数人しかいない会社でも、導入する意味はありますか?

はい、十分にあります。最近は、1人あたり月に数千円から使えるERPもあり、小さな会社でも始めやすくなっています。
人数が少ない会社ほど、一人でいくつもの仕事をしていることが多いため、ERPによる自動化の効果を強く感じやすいです。
早いうちから正確なデータの基盤を作っておくことは、会社が大きく成長するときの大きな助けになります。

ERPは経営判断を早めるための大切な投資

ERPとは、社内のバラバラな情報を一つに繋げる仕組みです。「ヒト・モノ・カネ」といった会社の資源を効率的に使うための土台になります。

本記事では、ERPの基本的な概念から、導入のメリット・デメリット、そして失敗しないための選び方までを解説しました。
ERPシステム導入にはコストが必要ですが、そのハードルを乗り越えた先には、二重入力の手間がなくなり、月ごとの締め作業も早く終わるようになります。そしてなにより、「リアルタイムな経営判断」が可能になります。

ERPの導入を検討する際には参考にしていただければ幸いです。

当社は長年に渡りプロジェクト管理に特化したERPを販売しており、導入事例も豊富にございます。お気軽にご相談ください。

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