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プロジェクト収支管理とは?進め方やツールを選ぶポイントを解説|ビーブレイクシステムズ

あなたの会社ではプロジェクトの利益を明確に把握できていますか。個々の部門や担当者の売上は把握できていても、プロジェクト全体の収支をタイムリーに把握できていないという企業も多いのではないでしょうか。
プロジェクト収支管理を行うことで、プロジェクトごとの原価を把握し、適切な経営判断を行うことができます。

本記事では、プロジェクト収支管理の進め方や効率的な管理に役立つツールの選び方について詳しく解説します。

プロジェクト収支管理とは

プロジェクト収支管理は簡単に言うと、あるプロジェクトに関わる収入(売上)と支出(原価)をしっかりと把握することです。
プロジェクトが進行していく中で、実際にかかった費用などを加味して、収支の着地見込みをリアルタイムで監視します。予算と実際の差がどこにあるのかを即座に見つけて調整することで、赤字プロジェクトなどの問題を早期発見して必要な対応をしやすくなります。

収支管理に必要な指標

プロジェクト収支管理を構成する3つの指標は以下の通りです。

  1. 予算管理:プロジェクトで予想される売上や、発生しそうな費用などを計画し、実績と比較することで現状を把握します。
  2. 原価管理:人件費や材料費、外注費など、プロジェクトにかかる経費を把握、管理します。
  3. 売上管理:製品やサービスの販売時期や価格を把握して、目標との差分を定期的に見直し対策します。

プロジェクト収支管理の目的と重要性

プロジェクトの収支管理の目的は、プロジェクトごとの収入と支出をきちんと把握し、無駄を省きながら収益を最大化させることです。赤字リスクを事前に見つけて対応することができ、プロジェクト運営の安定にもつながります。

たとえば、計画外のコストが積み重なってしまったとしても、早めに気づける仕組みがあれば、大きな損失になる前に調整を行うことができるかもしれません。それに、収支をこまめに確認していれば、プロジェクトが進む中で出てくる課題にも柔軟に対応できる可能性が高くなります。

さらに、プロジェクト管理の一環として収支を意識しておくことで、利益率を上げる工夫が見つかることも。たとえば、売上が順調でも、支出の見直しを進めることで収益性が一段と良くなるケースもあります。それに加えて、時間を含むさまざまなリソースを効率的に使うことで、結果的にプロジェクト全体の成功に近づきます。

プロジェクト収支計画の進め方

プロジェクト収支管理は計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルを回すことが一般的です。この章ではそれぞれのフェーズでの具体的な実施方法を紹介します。

1.収支計画の策定(Plan)

基本的なプロジェクト収支管理では、まず予算をしっかりと立てることが大切です。どんな収入を目指してどれくらいの支出を見込むのか、計画段階で具体的な数字を考えることで、プロジェクト全体の方向性がつかめるようになります。

対象となるプロジェクトの収支について、予想される収入と支出を具体的な数値で整理しましょう。たとえば、設備投資や人員にかかる費用などを含めて予算をしっかりと見積もることで、計画全体が見えてきます。投資金額に対してどれくらいの収益が見込めるのかを予測しておくのもポイントです。

過去の似ているプロジェクトのデータや、現在の市場動向・競合の状況を参考にして収入と支出を具体的に予測し、それを基にした計画を作ることで、より現実的な収支計画につながります。また数値だけでなく、収入や支出が生じるタイミングも確認しておきましょう。

2.進行中の収支維持と調整(Do)

プロジェクトを進める段階では、収支の進捗状況をできるかぎりリアルタイムで管理し、計画通りに進んでいるか確認しましょう。例えば労務費など、コストの中でも特に比重の高い項目を重点的に管理することが重要です。

プロジェクトは、計画通りに進めることが求められますが、実際には予想外の支出が発生することも少なくありません。特に、想定外のトラブルや市場の動向により、収支のバランスが崩れるケースも考えられるので、計画は柔軟に見直せるようにしておくと安心です。ズレが出た場合には適切なタイミングで調整することがポイントです。

3.最終収支の評価(Check)

プロジェクト管理では収入と支出の詳細な分析が欠かせません。プロジェクト終了後には実績を振り返り、計画とどのくらいズレがあったのかを確認します。予算を設定した売上やコストが実現できたかどうかなどを確認しましょう。

4.改善ポイントと次回の対策(Action)

最後に、これまで得られたデータや知見を基に改善案を検討します。原価や利益の動きなど細かい部分も振り返りましょう。
どんな要因が成功につながったのか、またどんな部分が想定通りに進まなかったのか、どこを改善したらいいのかを探ることで、次の収支計画に活かすヒントになります。

プロジェクトの進行過程で無駄なコストを減らす方法を見つけていくことで、利益率の向上に繋がります。

収支管理に使用するツールの種類と特徴

収支管理を効率的に行うためには、ツールの活用も効果的です。市場には多くのツールがありますが、利用目的やプロジェクト規模に応じて最適なものを選ぶことが求められます。
この章では、収支管理に適したツールを解説します。参考にしていただければと思います。

エクセル(Excel)

プロジェクト収支管理をエクセル(Excel)で管理しているというケースも多いです。
エクセルは小規模なプロジェクトやシンプルな収支管理に向いており、比較的安価で導入のハードルが低く、使い慣れている人が多いことが特徴です。

エクセルのメリット

エクセルは次のようなメリットがあります。
多機能で柔軟性が高い
エクセルはその多機能さとカスタマイズ性が高い点が魅力です。数式や関数を駆使して、効率的に計算や分析ができます。例えば、IF関数を使って条件に応じた収支を自動計算することで、進行中のプロジェクトの状況を把握できるようになります。
グラフの作成ができる
グラフ機能を使って収支の推移を視覚的に表現できるのも大きな魅力です。これにより、関係者に分かりやすく情報共有ができ、会議でも議論の土台にしやすくなります。
テンプレートが利用できる
各プロジェクトのニーズに応じて、すでにあるテンプレートを利用することが可能です。
自分専用にカスタマイズすることもできるため、ゼロから作る手間が省けますし、効率的に作業を進めることができます。
互換性が高い
他のプログラムとの互換性も高く、CSV形式でデータをエクスポートやインポートしたり、他のデータベースから取り込んだりすることが容易です。

エクセルのデメリット

柔軟性の高いエクセルですが、デメリットもあります。
リアルタイム性に乏しい
エクセルは手動での更新が基本となるため、リアルタイムでのデータの反映が困難です。データの鮮度が低下するリスクがあり、特に複数のプロジェクトを同時に進めている場合には注意が必要です。加えて、手動入力が中心となるため、データ入力ミスや情報の重複、欠損といったエラーが発生しやすくなります。これらを防ぐには、定期的なデータ確認や入力作業の工夫が必要です。
スキルが求められる
エクセルは柔軟性が高いゆえに複雑な収支分析やプロジェクト管理を行うためには、使用者に一定のスキルが求められます。エクセルに不慣れな人にとってはハードルが高い場面もあります。
収支管理に特化はしていない
エクセルを使ったプロジェクト管理では、テンプレートを活用するという選択肢もありますが、請求書や見積書のテンプレートに比べ、収支管理に特化したフォーマットは選択肢が限られています。その結果、個々の業務に合致した管理を行うためには、多数のシートやファイルを作成・管理する必要が出てくる場合があります。このような運用は管理が煩雑になる原因となり、複数人での利用においてはデータの一貫性や信頼性に課題が生じることもあります。
同時編集ができない
エクセルでの同時編集には制限があり、誤ったデータの入力や削除が発生するリスクもあります。特定のスタッフ一人に運用を任せると、その人が休職または退職した際に、エクセル内のデータや構造を把握できる人がいなくなるリスクもあるため、複数人での共有や引き継ぎの仕組みを事前に計画しておきましょう。

プロジェクト収支管理クラウドツール

クラウドのプロジェクト収支管理には専用のツールがオススメです。 メリット、デメリットを紹介します。

クラウドツールのメリット

クラウドのプロジェクト収支管理ツールは以下のメリットがあります。
データの一元管理
プロジェクト収支管理ツールを導入する最大のメリットは一元管理機能でしょう。プロジェクト管理に必要な予算管理、原価管理、売上管理といった情報をクラウドシステム内で一括管理できるため、情報の二重入力を防ぎます。集計用、分析用、報告用などの複数のファイルを管理する必要がなくなります。
プロジェクト収支管理の分析ができる
各プロジェクトの収支情報がツール内に保存されていくので、プロジェクト状況を簡単に見える化し、経営判断を迅速かつ正確に行うサポートをします。予算管理や原価計算などの複雑な分析も可能となります。
インターネットがあればアクセス可能
クラウドのツールは、インターネットを介して利用できるため、場所やデバイスに制限されることなく、どこからでもアクセスが可能です。
また、複数人による同時入力が可能なため、異なる場所にいるチームメンバー間でもデータの共有や可視化が迅速に行えます。チーム全体での効果的なコミュニケーションや迅速な意思決定ができます。
リアルタイムで更新される
データはリアルタイムで更新されるため、常に最新の情報に基づいて意思決定が行えます。同時に、履歴データが自動的に蓄積されるため、過去のプロジェクトを比較分析することも簡単です。
労務費を含めたプロジェクト全体のリアルタイムな収支モニタリングが可能になるシステムもあり、たとえば予算を超える支出が発生しているプロジェクトにはアラートを表示することができます。これにより、赤字プロジェクトや問題の早期発見が実現し、対応が遅れるリスクを軽減します。
サーバーの管理不要
クラウドツールはベンダー側でサーバーを用意するため、サーバー等の調達、管理の必要がありません。
また、専用のサーバー上にデータを保管するため、ハードウェアの故障やその他の物理的リスクによるデータ損失を最小限に抑えることができます。

クラウドツールのデメリット

クラウドの収支管理ツールには以下のようなデメリットもあります。
コストがかかる
クラウドツールを導入する際には、運用コストや初期費用が発生します。選択するツールや搭載される機能に応じて費用が異なるため、慎重な検討が求められます。
カスタマイズができない
一部のツールではカスタマイズ性に制限がある場合もあります。
一般的な業務フローであれば問題ないですが、もし自社が特殊なフローで運用している場合は、業務プロセスをシステムに適応させる必要があるかもしれません。
トレーニングが必要
クラウドシステムに限った話ではないですが、これまでの運用を変える際には、使用方法に慣れるまである程度の時間が必要となります。利用方法のレクチャーやトレーニングが必要な場合もあるでしょう。本格的に利用開始となるまでに時間がかかる可能性があることを考慮して検討しましょう。

ツールを選ぶ際のポイント

プロジェクト管理において、ツール選びは非常に重要です。この章では、ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。

目的に合った機能の確認

収支管理ツールを選択する際には、プロジェクトの目的や特定のニーズに適した機能を持つシステムであるかを確認することが重要です。たとえば、予算管理や原価計算、売上分析といった具体的なニーズに応える機能を持ったツールを利用することで、プロジェクト管理における効率性を大きく向上させることが可能です。また、過去のデータや実績を参照できる機能があると、今後の計画の精度を上げるのに役立ちます。自社と似たような業態の導入事例を参考にするのも有効です。

コストパフォーマンスの比較

ツールを選定する際に、コストパフォーマンスはとても重要なポイントです。導入コストだけでなく、運用や保守を含めた長期的な視点で費用対効果を見極めましょう。将来的な規模拡大や機能追加にも対応可能なシステムを選ぶことで、持続的な運用と満足度向上につながる選択ができるでしょう。

単に価格が安いからと言って、それが最適な選択であるとは限りません。必要な機能が備わっていなければ、導入に期待されるメリットを十分に得ることができなくなる可能性があります。
一方で、あまりに機能の充実性を追求しすぎると、予算を大幅に超える結果となることもあります。そのため、優先すべき機能が的確に備わっているかを見極めた上で、導入や運用コストが妥当な範囲に収まるツールを選ぶことが肝心です。

また、短期的なコスト削減だけではなく、ツールの導入によって得られる業務効率化や作業時間の短縮など、長期的な視点からの効果も考慮する必要があります。

操作性と利便性の確認

新しいツールを導入する際には、実際の操作性も事前に確認することが大切です。例えばデータ入力が簡単で、必要な情報を迅速に取得できるツールを選ぶ等、トレーニングや導入後のサポート業務を削減し、プロジェクトの稼働をスムーズに進めることが可能です。

さらに、新ツールの移行に伴う混乱を軽減するためには、十分なトレーニング環境やサポート体制が整っているかを確認しましょう。
無料トライアル期間を提供しているツールが多いため、ツールが自社の業務プロジェクト管理に適しているかどうかを実際に検証することをお勧めします。操作性が悪いツールを選んでしまうと、十分に使いこなせず、逆にコストの無駄や業務停滞を招くリスクがあります。

提供形態と導入規模の適応性

ツールを選択するうえで提供形態や導入規模も重要です。クラウド型は、クラウド上のデータにアクセスして利用するシステムであり、導入コストが抑えられやすく、場所や時間を問わず利用できる柔軟性が特徴です。リモートワークが普及した現代において、クラウド型は多くの企業で選好される傾向にあります。
他にもオンプレミス型のツールもあります。オンプレミス型は自社内のサーバーを利用したシステムで、高度なセキュリティ管理やカスタマイズ性が求められる企業に適しています。ただし、初期費用が高くなる場合がある点には注意が必要です。

さらに、導入規模もツール選定の大きなポイントとなります。スタートアップ企業のような小規模の会社に適したものから、大規模な企業に適したものまで様々あります。
中には規模に問わず対応可能なシステムもあるため、ニーズに応じて検討しましょう。企業の成長に合わせてシステムを変化させることができれば、長期的な視点でも効率的な運用環境を確立できるでしょう。

プロジェクト収支管理を成功させるためのコツ

ここでは、プロジェクトの収支の成果を最大化するためのポイントをご紹介します。

リスク管理の徹底

プロジェクトを成功に導くためには、開始前の段階で起こり得るリスクを徹底的に洗い出し、それぞれに対する具体的な対策を講じる必要があります。
プロジェクトの規模が大きくなるにつれてリスクの種類も増え、リスクが発生する可能性も高まるため、進捗に及ぼす影響を把握し適切な準備をしておくことが求められます。たとえば、リスクとして「コストの急増」「スケジュールの遅延」「必要な人材の不足」や「仕様変更による手戻り」などが挙げられます。こうした課題が発生する可能性を考慮し、それぞれのリスクの影響度や発生確率を評価した上で、予防策と発生時の対応策を計画しておくと安心です。特に、仕様変更が見込まれる場合には、バッファを事前に設定するなどして予算やスケジュールに余裕を持たせることが重要です。

収支情報のリアルタイム監視

プロジェクトの収支を適切に管理するためには、予算と実績の乖離をリアルタイムで把握し、問題が発生した際に迅速に対応策を講じることが求められます。これにより、プロジェクトの健全性を長期的に保つことが可能になります。]

プロジェクト型ビジネスでは特に、労務費(工数)やサーバー代、ソフトウェア費など、プロジェクトのコストを詳細に把握することが重要です。例えば、工数をリアルタイムに記録せず、プロジェクト終了後に入力する運用をしていると、想定以上の人件費がかかっていたことに気づかない場合があります。また、予想以上に発生したコストをリアルタイムで確認できれば、早い段階で他の費用を抑えるなどの軌道修正を図ることができます。

このため、プロジェクトごとの収支データを一元化し、リアルタイムで可視化できるツールの活用が効果的です。統合的なプラットフォームを導入することで、誰もが最新の情報にアクセスでき、データ分析や迅速な意思決定が可能となります。

こまめな収支分析と改善策の実施

プロジェクトの収支を定期的に見直し、計画と実績の差異を把握することで、管理の精度を高め、課題の早期発見が可能になります。特に予算超過や売上未達などの問題が発生している場合は、即座に状況を分析し、適切な改善策を講じる必要があります。

プロジェクトの収支データを効果的に活用するためには、月次や週次といった一定のタイミングで、予実差異を確認することが大切です。差異の原因を洗い出し、それが一時的なものか、あるいは構造的な課題かを見極めることによって、問題解決に向けた具体的な施策を立案できます。たとえば、想定以上に原価がかかっている場合は、取引先の再選定や業務プロセスの見直しを検討することが有効です。

ツールを適切に運用し効率化

効率的な収支管理には、プロジェクト管理ツールの適切な活用も大切です。例えば、リアルタイムでの予実管理や収支データの分析を効率的に行うことで、正確なコスト管理が可能となり、計画の精度向上とプロジェクト全体の見通しの強化や、赤字プロジェクトの防止につながります。また、プロジェクト管理ツールに備わった自動化機能やアラート設定等を活用することで、手動での作業を減らし、生産性を向上させることができます。
一元管理ができるツールでは、情報の鮮度ならびに正確性が確保され、業務負荷を軽減させます。

ツールを適切に利用するためにはツールの機能を正確に理解し、チーム全員が使い方を習得する必要があります。トレーニングや勉強会などの機会をつくるなどして取り組みましょう。

まとめ

プロジェクトの収支管理は、企業の利益を最大化するために不可欠です。収入と支出を的確に把握することで、赤字の早期発見が可能となり、経営全体の効率化につながります。

また、プロジェクト管理には適切なツール選びが重要で、特に収支をリアルタイムで把握できるシステムを選定することが求められます。ツールにはエクセルやクラウドベースのものなど様々な選択肢がありますが、目的に合った機能や操作性を考慮することが大切です。
適切なツールを駆使して、プロジェクトの収支を効果的に管理できると、企業の成長に寄与することができるでしょう。

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